運行管理者試験対策.net > 運行管理者試験過去問題 > 令和2年度第1回(貨物) > 実務上の知識及び能力【問題】

運行管理者試験過去問題 - 令和2年度第1回(貨物)

令和2年度第1回 -貨物-(R02.8実施)

5.運行管理者の業務に関し必要な実務上の知識及び能力

問24 運行管理者の日常業務の記録等に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。(※法改正により一部改変)

1.運行管理者は、事業用自動車の運転者が他の営業所に転出し当該営業所の運転者でなくなったときは、直ちに、運転者等台帳に運転者でなくなった年月日及び理由を記載して1年間保存している。

2.運行管理者は、運行記録計により記録される「瞬間速度」、「運行距離」及び「運行時間」等により運転者の運行の実態や車両の運行の実態を分析し、運転者の日常の乗務を把握し、過労運転の防止及び運行の適正化を図る資料として活用しており、この運行記録計の記録を1年間保存している。

3.運行管理者は、事業用自動車の運転者に対し、事業用自動車の構造上の特性、貨物の正しい積載方法など事業用自動車の運行の安全を確保するために必要な運転の技術及び自動車の運転に関して遵守すべき事項等について、適切に指導を行うとともに、その内容等について記録し、かつ、その記録を営業所において1年間保存している。

4.運行管理者は、事業用自動車の運転者に対する業務前点呼において、酒気帯びの有無については、目視等で確認するほか、アルコール検知器を用いて確認するとともに、点呼を行った旨並びに報告及び指示の内容等を記録し、かつ、その記録を1年間保存している。


問25 一般貨物自動車運送事業者が事業用自動車の運転者に対して行う指導・監督に関する次の記述のうち、適切なものをすべて選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

1.車長が長い自動車は、(1)内輪差が大きく、左折時に左側方のバイクや歩行者を巻き込んでしまう、(2)狭い道路への左折時には、車体がふくらみ、センターラインをはみ出してしまう、(3)右折時には、車体後部のオーバーハング部が隣接する車線へはみ出して車体後部が後続車に接触する、などの事故の要因となり得る危険性を有していることを運転者に対し指導している。

2.鉄道車両など関係法令の制限を超えた積載物を運搬する場合は、関係当局から発行された許可証を携行するとともに、許可の際に付された通行経路・通行時間等の条件を遵守し、運送するよう指導している。また、運行前には、必ず、通行経路の事前情報を入手し、許可された経路の道路状況を確認するよう指導している。

3.国土交通大臣が認定する適性診断(以下「適性診断」という。)を受診した運転者の診断結果において、「感情の安定性」の項目で、「すぐかっとなるなどの衝動的な傾向」との判定が出た。適性診断は、性格等を客観的に把握し、運転の適性を判定することにより、運転業務に適さない者を選任しないようにするためのものであるため、運行管理者は、当該運転者は運転業務に適さないと判断し、他の業務へ配置替えを行った。

4.飲酒により体内に摂取されたアルコールを処理するために必要な時間の目安については、個人差はあるが、例えばチューハイ350ミリリットル(アルコール7%)の場合、概ね2時間とされている。事業者は、これらを参考に、社内教育の中で酒気帯び運転防止の観点から飲酒が運転に及ぼす影響等について指導している。


問26 事業用自動車の運転者の健康管理及び就業における判断・対処に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

1.自動車の運転中に、心臓疾患(心筋梗塞、心不全等)や、大血管疾患(急性大動脈解離、大動脈瘤破裂等)が起こると、ショック状態、意識障害、心停止等を生じ、運転者が事故を回避するための行動をとることができなくなり、重大事故を引き起こすおそれがある。そのため、健康起因事故を防止するためにも発症する前の早期発見や予防が重要となってくる。

2.事業者は、業務に従事する運転者に対し法令で定める健康診断を受診させ、その結果に基づいて健康診断個人票を作成して5年間保存している。また、運転者が自ら受けた健康診断の結果を提出したものについても同様に保存している。

3.自動車事故報告規則に基づく平成29年中のすべての事業用自動車の乗務員に起因する重大事故報告件数約2,000件の中で、健康起因による事故件数は約300件を占めている。そのうち運転者が死亡に至った事案は60件あり、原因病名別にみると、心臓疾患が半数以上を占めている。

4.睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、大きないびきや昼間の強い眠気など容易に自覚症状を感じやすいので、事業者は、自覚症状を感じていると自己申告をした運転者に限定して、SASスクリーニング検査を実施している。


問27 自動車の運転に関する次の記述のうち、適切なものには解答用紙の「適」の欄に、適切でないものには解答用紙の「不適」の欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

1.四輪車を運転する場合、二輪車との衝突事故を防止するための注意点として、(1)二輪車は死角に入りやすいため、その存在に気づきにくく、また、(2)二輪車は速度が実際より速く感じたり、距離が近くに見えたりする特性がある。したがって、運転者に対してこのような点に注意するよう指導する必要がある。

2.アンチロック・ブレーキシステム(ABS)は、急ブレーキをかけた時などにタイヤがロック(回転が止まること)するのを防ぐことにより、車両の進行方向の安定性を保ち、また、ハンドル操作で障害物を回避できる可能性を高める装置である。ABSを効果的に作動させるためには、できるだけ強くブレーキペダルを踏み続けることが重要であり、この点を運転者に指導する必要がある。

3.バン型トラックの後方は、ほとんど死角となって見えない状態となることから、後退時の事故の要因となることがある。その対策として、バックアイカメラを装着して、死角を大きく減少させることができるが、その使用にあたっては、バックアイカメラにも限界があり、過信しないよう運転者に指導する必要がある。

4.車両の重量が重い自動車は、スピードを出すことにより、カーブでの遠心力が大きくなるため横転などの危険性が高くなり、また、制動距離が長くなるため追突の危険性も高くなる。このため、法定速度を遵守し、十分な車間距離を保つことを運転者に指導する必要がある。


問28 高速自動車国道において、A自動車(車両総重量8トンの事業用トラック)が前方のB自動車とともにほぼ同じ速度で50メートルの車間距離を保ちながらB自動車に追従して走行していたところ、突然、前方のB自動車が急ブレーキをかけたのを認め、A自動車も直ちに急ブレーキをかけ、A自動車、B自動車とも停止した。A自動車、B自動車とも安全を確認した後、走行を開始した。この運行に関する次のア~ウについて解答しなさい。
 なお、下図は、A自動車に備えられたデジタル式運行記録計で上記運行に関して記録された6分間記録図表の一部を示す。

R02.1-28

ア 上の記録図表からA自動車の急ブレーキを操作する直前の速度を読み取ったうえで、当該速度における空走距離(危険認知から、その状況を判断してブレーキを操作するという動作に至る間(空走時間)に自動車が走行した距離)を求めるとおよそ何メートルか。次の(1)~(2)の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、この場合の空走時間は1秒間とする。

(1)15メートル  (2)20メートル

イ A自動車の急ブレーキを操作する直前の速度における制動距離(ブレーキが実際に効き始めてから止まるまでに走行した距離)を40メートルとした場合、A自動車が危険を認知してから停止するまでに走行した距離は、およそ何メートルか。次の(1)~(2)の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、この場合の空走時間は1秒間とする。

(1)55メートル  (2)60メートル

ウ B自動車が急ブレーキをかけA自動車、B自動車とも停止した際の、A自動車とB自動車の車間距離は、およそ何メートルか。次の(1)~(2)の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、この場合において、A自動車の制動距離及び空走時間は上記イに示すとおりであり、また、B自動車の制動距離は35メートルとする。

(1)25メートル  (2)30メートル


問29 荷主から貨物自動車運送事業者に対し、往路と復路において、それぞれ荷積みと荷下ろしを行うよう運送の依頼があった。これを受けて、運行管理者は次に示す「当日の運行計画」を立てた。
 この事業用自動車の運行に関する次のア~ウについて解答しなさい。なお、解答にあたっては、「当日の運行計画」及び各選択肢に記載されている事項以外は考慮しないものとする。
(※法改正により一部改変)

「当日の運行計画」

往路

〇 A営業所を出庫し、30キロメートル離れたB地点まで平均時速30キロメートルで走行する。

〇 B地点にて20分間の荷積みを行う。

〇 B地点から165キロメートル離れたC地点までの間、一部高速自動車国道を利用し、平均時速55キロメートルで走行して、C地点に12時に到着する。1時間の休憩後、15分間の荷下ろしを行う。

復路

〇 C地点にて15分間の荷積みを行い、13時30分に出発し、60キロメートル離れたD地点まで平均時速30キロメートルで走行する。D地点で30分間の休憩をとる。

〇 休憩後、D地点からE地点まで平均時速25キロメートルで走行して、E地点に18時に到着し、20分間の荷下ろしを行う。

〇 E地点から20キロメートル離れたA営業所まで平均時速30キロメートルで走行し、19時に帰庫する。

R02.1-29

ア C地点に12時に到着させるためにふさわしいA営業所の出庫時刻【 ア 】について、次の(1)~(4)の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。

(1)7時00分  (2)7時20分  (3)7時40分  (4)8時00分

イ D地点とE地点間の距離【 イ 】について、次の(1)~(4)の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。

(1)45キロメートル  (2)50キロメートル  (3)55キロメートル  (4)60キロメートル

ウ 当日の全運行において、連続運転時間は「自動車運転者の労働時間等の改善のための基準」に照らし、違反しているか否かについて、次の(1)~(2)の中から正しいものを1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。

(1)違反していない  (2)違反している


問30 平成28年中のトラック(最大積載量5トン以上)による死亡・重傷事故について、事業用自動車の交通事故統計及び自動車事故報告規則により提出された事故報告書に基づき、下記のとおり、事故の特徴やその要因についての分析結果が導かれた。この分析結果をもとに、【事業者及び運行管理者が実施すべき事故低減対策のポイント】の中から【事故防止のための指導】として、A、B、Cに当てはまる最も直接的に有効と考えられる組合せを下の枠内の選択肢((1)~(8))からそれぞれ1つ選び、解答用紙の該当する欄にマークしなさい。なお、解答にあたっては、下記に記載されている事項以外は考慮しないものとする。

R02.1-30a

【事業者及び運行管理者が実施すべき事故低減対策のポイント】

ア 右折するときは、対向車に注意して徐行するとともに、右折したその先の状況にも十分注意を払い走行するよう運転者に対し指導する。

イ 運転中は前方不注視となるのを防ぐため、喫煙や携帯電話の使用などは停車してから行うよう運転者に対し指導する。

ウ 右折するときは、対向車の速度が遅い場合などは自車の速度を落とさず交差点をすばやく右折するよう運転者に対し指導する。

エ 大型車などは、内輪差が大きく、左側方の自転車や歩行者を巻き込んでしまう危険があることから、慎重に安全を確認してから左折するよう運転者に対し指導する。

オ 右折時に対向車が接近しているときは、その通過を待つとともに、対向車の後方にも車がいるかもしれないと予測して、対向車の通過後に必ずその後方の状況を確認してから右折するよう運転者に対し指導する。

カ 運転者の飲酒習慣を把握し、必要と考えられる運転者に対し、運転者の画像が確認できるアルコールチェッカーを運行時に携帯させ、随時運転者の飲酒状況をチェックできるようにする。

キ 衝突被害軽減ブレーキを装着したトラックの運転者に対しては、当該装置は、いかなる走行条件においても、前方の車両等に衝突する危険性が生じた場合には、確実にレーダー等で検知したうえで自動的にブレーキが作動し、衝突を確実に回避できるものであることを十分理解させる。

ク 二輪自動車は車体が小さいため速度を誤認しやすいことから、右折の際は、対向する二輪自動車との距離などに十分注意するよう運転者に対し指導する。

ケ 左折するときは、あらかじめ交差点の手前からできる限り道路の左側端に寄り、かつ、できる限り道路の左側端に沿って徐行するよう運転者に対し指導する。

コ 伝票等の確認は、走行中はわき見が原因で事故につながる可能性が高いことから、安全な場所に移動し停止した後に行うよう運転者に対し指導する。

サ 交差点を左折するときに、その進路の前方にある横断歩道を横断しようとする歩行者がいる場合は、当該横断歩道を徐行し、かつ、できる限り安全な速度と方法で進行するよう運転者に対し指導する。

シ 左折する際は、左折前の確認に加えて、左折時にも再度歩行者や自転車等がいないかをミラーや直視で十分確認するように運転者に対し指導する。

(1)アウオ  (2)アウク  (3)アオク  (4)イカキ
(5)イカコ  (6)イカサ  (7)エケサ  (8)エケシ


ミニトラック画像
HOMEへ戻る


運行管理者試験対策教材・対策講座

運行管理者試験 対策教材・対策講座のご案内

近年の運行管理者試験は合格率20~30%前後で推移しており、もはや一夜漬けの学習で合格することは困難です。対策教材や対策講座なども活用し、しっかりと学習する必要があります!

運行管理者試験対策教材のご紹介

運行管理者試験対策講座のご案内
【ご注意】試験の受験資格を得るための基礎講習ではありません。

ページトップへ戻る

▲ ページトップ
(C)2012 運行管理者試験対策.net All Rights Reserved.